2ミリデシベル 4ミリデシベル 18ミリデシベル。
福島第一原発に近づくに連れて放射線量が増えていく。同時に車窓から見える町並みに違和感を覚える。人が見当たらない。まるでゴーストタウンのようだ。
それもそのはず、福島第一原発から20キロ範囲は立ち入り禁止区域だからである。
今回、自民党青年局が震災直後から行ってきたボランティア活動「チーム11」が、井上環境副大臣の被災地視察に同行が許された。
福島原発敷地内に入るにあたり、厳重な身分チェックとともに放射線量確認が何度も行われた。その後東電の役員から現状の説明を受け、いざ建屋内へ。
その前にテレビで良く見る全身白のツナギの防護服に身を包み、これでもかと言わんばかりに靴下も手袋も二重にし、更に淵の部分をテープで止める念の入れようである。
敷地内は思った以上に整理されていて、汚染水を貯めているタンクが至るところに存在して、重機がいくつも動いていました。そしてそこでは主に3つの事が行われていました。

① 廃炉に向けた取り組み。
② 汚染水の浄化。
③ 敷地内に入り込む雨水の遮断。

① 今年4月1日に「廃炉推進カンパニー」という組織が立ち上がり、責任の所在を明確にし、廃炉に向けた取り組みを加速させる組織体制が出来上がっていました。具体的な行動として、被害が無かった4号機から燃料棒の抜き取り作業が行われていました。しかし、その歩みは遅く、完全に廃炉になるまでには30年程かかる見込みだそうです。
② 多核種除去設備(ALPS)を導入し、汚染水中の放射性物質の除去が行われていましたが、トリチウムが除去出来ない事から、まだ課題は残っている。
③ 建屋周りには山側から400ミリリューベ/日が流れ込み汚染水となる為、これを防ぐ為に、地下水バイパスを造り地下水の抜き取りや建屋内に雨水が入り込まないように土を凍らせて壁を造る凍土遮水壁の実験が行われていた。

3時間程の視察であったが、防護服を着ているせいで暑くて息苦しく、一日中作業をしている方々の苦労が想像出来ました。その作業員の方々ですが、皆礼儀正しく親切でした。そしてコントロールセンターとでも呼ぶ施設内には、各地からの励ましのメッセージが壁の至るところに貼られていて、作業員はそれを見ながら一日も早い復旧の為に必死で頑張っている姿に感心しました。加えて、危険な場所での作業ということで作業員にはエールを送りたいと思います。
今回の視察で感じた事は、原発事故というのは一度起きたら取り返しがつかないと改めて感じました。住民は住み慣れた地域を離れて暮らさなければならず、復旧には莫大な費用と時間がかかってします。
現時点では国内エネルギーを維持する為には原子力発電所が必要だと思いますが、原発依存からの脱却も考えなければいけないのではないかと思い、次世代エネルギーの開発が望まれます。

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